ITS 11 ブログ

自転車には怖いガードレール

岩貞るみこ

 先日、自転車ジャーナリストの菊地武洋さんと話をしていたら、ガードレールの話題になりました。曰く「ガードレールが怖い」と。ガードレールは本来、クルマから歩行者を守るためにあるもの。クルマから弱者を守るという意味では、自転車にとっても心強い味方なのかと思ったら、そうではないようです。ガードレールのなにが怖いのか尋ねたところ、仰天の新事実が明らかになりました。

「自転車は基本的に車道を走ります。クルマにしてみれば邪魔な存在でしょうから、できるだけ路肩、つまりガードレールに近いところを走ってくれ、と言いたいと思うんです。でも、僕たちはそのガードレールが怖いから寄れない。ふらついて、ガードレールの上に倒れると、勢いがついていますから、そのままガードレールの上を滑るように飛ばされる。そうすると、肉がぱっくり裂けちゃうんです」

ぱっくりですか!?

「はい。先輩は、骨まで見えたことありますよ」

…………。

「だから、幅寄せとかしていじめないでくださいね(笑)」

は、はい。

いままで私たちは、ガードレールを「クルマ」と「歩行者」からしか見ていなかったような気がします。バイクだとしても、そんな板状のガードレールが凶器になったなんて話、聞いたことがありません(あるとすれば、パイプ型のガードレールにささった、という状況)。でも、高速で移動するロードレースタイプの自転車の場合、まずスピードが速い。そしてバイクなどと違い、革ツナギなどは着用していませんから、あの板状のガードレールの断面が凶器になるんですね。……知りませんでした。

少し前に、ガードレールに鉄の破片がたくさん刺さっていて、あれはなんだという話になりました。そのときあれこれと、ガードレールの役割や、あるべき姿が検討されました。でもそのとき、自転車にとってどうだという話は、まったくといっていいほど出なかったはずです。

道作りの奥は深い。そして、環境問題がクローズアップされ、欧州を中心に自転車が注目されているいま、私たちは自転車ユーザーの声をもっと拾っていかなくてはいけないのかもしれません。

大型トラックにアクティブセイフティの武装を。

岩貞るみこ

大型トラックや大型バスは大きい。大きい=重い=衝突エネルギーも大きい=ぶつかると大きな事故になる。

その昔、高校の物理の授業中、「こんなもの覚えたって世間に出たら使わないんだしさー」と、反抗期のふてぶてしさいっぱいで思っていたけれど、いまになってちゃんと聞いておけばよかったと、後悔だらけの私です。

さて、衝突エネルギーが大きな大型車の場合、高速道路で追突事故を起こしたときの死亡事故率は約4.2%。乗用車の10倍近くになります。つまり、追突する大型トラックの25台に1台は、死亡事故を起こしているんですね。しかも、追突事故って大型トラック全体の約55%を占めるんだそうで、それってかなり怖い状況だと思いませんか?

追突事故=即、死亡事故。

ちなみに、事故=即、死亡事故につながりやすい航空機の場合、パッシブセイフティはありません。パッシブセイフティを考えていたら、気軽に旅行になんていけない航空運賃になっちゃうでしょうし>それは困る! 航空機は基本的に、事故を起こさないアクティブセイフティの塊。でも、大型トラックの事故状況を見れば、そして、交通事故と航空機事故の死者数を比べれば、大型車こそもっとアクティブセイフティで武装するべきだと思うんですけれど。ちょっとしたヒューマンエラーが即、死亡事故。大型トラックの運転手さんは、ものすごいストレスにさらされているんですね。

製造業も商売ですから、安全技術も大切なウリの道具でしょう。でもね、少なくとも安全技術を開発しようとする技術者は、高速道路上でなにが起こっているのか、きちんと正視してからたずさわっていただきたい気がするんですよ。「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」とは、有名なドラマのセリフですけれど、「死亡事故は研究室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」と、言いたいです。

求む、被害軽減ブレーキ&前方障害物アラームの早期標準化。私はいつ、家族や友人が大型トラック追突のロシアン・ルーレットに巻き込まれるか、冷や冷やしながら過ごしています。みなさんは、不安にならないですか? 弾が止まる先は、あなたかもしれないのにね。

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