ITS 11 ブログ

自動車メーカーは本当に日本でクルマを売りたいと思っているのか? その2

岩貞るみこ

日本のユーザーがないがしろにされている感が否めないのは、安全装備のこともあります。いまや、日本のクルマは安全、と言われていますが、衝突実験のアセスメントのデータが前席のふたりしか計測されていないのは、以前、このブログでも書いたとおり

そして、もうひとつ。同じクルマなのに、欧米と日本で、後席シートベルトとヘッドレストの仕様が違うんですよ。これってどういうことでしょう? 日本の場合、後席の中央席は2点式シートベルト(が多い)。ミニバンにしても2列目シートの中央席は2点式(がほとんど)。なんで? どうして? ヨーロッパで売られている同じクルマは、ちゃんと3点式&ヘッドレストもついているのに。確かに、ヨーロッパでは『中央席も3点式にすること』というルールがあるんですが、でも、日本はルールがないからって、ケガしていいって話にはならないと思うんですけれど。

そういえば、20年くらい前にもありましたよね、サイドドアビーム事件。ヨーロッパに売るクルマは、側面衝突に耐えるために、ドア部分に補強材が入っているのに、日本で売る同じクルマには入っていない、あの『事件』です。あれを機に、日本の自動車メーカーは反省し、態度を改めた、と、勝手に期待していた私が悪うございました。喉元すぎれば熱さはすっかり忘れ去られ、同じことが起きていたんですね。

自動車メーカーのひとは言います。「だって、ユーザーがいらないって言うんだもん」。つけて高くなるものは、ユーザーはいらないそうです。

あ、そうですか。んじゃ、仕方ないですね……と、引き下がるわけにはいかないですよ。あのですね、それって本当にちゃんと日本のユーザーに『危険性』を説明しているんですか? そのうえでユーザーは「いらない」って言っているんでしょうか? 私の知る限り、安全装置、たとえば『横滑り防止装置』を的確にきちんと理解しているディーラーマンは、ほんのひと握りです。自分で理解していないのに、お客様に必要性をご納得いただけるまで説明できるとは思えません。それはつまりメーカーの、ディーラーマンへの教育不足。つまりは自動車メーカーのやる気のなさ。つまりは、日本のユーザーは死んでもいいってことでしょう?

思考が飛躍しすぎましたか? そうでしょうか? でも、結局、そういうことだと思うんですけれど。

自動車メーカーってのは、クルマのプロです。そのプロが、クルマのシロウトであるユーザーがいらないと言ったから、つけないってのは、ないんじゃないですか? どうでしょう。

次回に続く。

自動車メーカーは本当に日本でクルマを売りたいと思っているのか? その1

岩貞るみこ

低迷する国内での自動車販売。各自動車メーカーも、それぞれの団体も、販売回復に向けてさまざまな取り組みをしているようですが、でも『本当に日本でクルマを売りたいと思っているのか?』というのが、今回の私の疑問です。

たしかに自動車メーカーの方にお会いして話を伺うと、それぞれのターゲットの嗜好を分析し、細かい作業を重ねているようです。しかしながら全体的にみていると、日本市場なんて見ていない気がしちゃうんですよ。

たとえば、おでぶになり続けるSUV。安全性だの、走行性能だの、理由はあれこれあるようですが、それって本当に日本のユーザーのためを思ってやっているんでしょうか? だって、日本の道には大きすぎるんですよ。全幅1800mmを越えるSUVなんて。あきらかに、ハンバーガーで大きくなりました、という立派な体格の某国にあわせた巨大化にしか受け止められず、これで日本のユーザーに「買ってよ」と言われてもなあ、という気がしてしまうのですが。

たとえば、4ドアセダンしかないホンダのハイブリッド。いくら燃費のいいクルマを作ったって、台数が出ないんじゃそれってどうよ? というのは、先日も某女性誌副編集長と意気投合して盛り上がったばかりです。いまや衰退の一途である、存在感のない中型セダン。プリウスじゃないハイブリッドは欲しいけれど、セダンに乗れって言われてもなあ、という、女性陣は非常に多いんです。ボディがないならともかく、欧米では3ドアハッチや5ドアまででいるのに、なんで? どうして? 日本にはださい(敢えて書きます!)セダンしかないんでしょ? それってユーザーのせい? それともメーカーの都合? いずれにしても、日本で「売る気なし」と言われても、仕方がないんじゃないでしょうか。

たとえば、エントリーユーザーが好みそうな、FRのスポーツカー。もちろん価格は「お手ごろ」。そんなのもありません。売れないから生産中止って、自動車好きが減ったって、減らしているのは誰? という気がしなくもありません。

軽自動車が絶好調ですが、わかりますねえ。だって、軽自動車だけでしょ。日本のユーザーに専念して、サイズも価格も合わせて作ってくれているのって。ほかは、世界規模で販売するから、売れる国のリクエスト最優先。ちょっとしか売れない日本のユーザーのことなんて、ないがしろですもん。

これで、日本でクルマが売れないだの、クルマ好きが減ったの、大きなお世話。自分のまいた種が、芽を出し、花をつけて、実になっただけの話って気がしないでもないんですが。

次回に続く。

交通安全運転週間のテントってさ

岩貞るみこ

交通安全運転週間。

この言葉を聞いただけで、身が引き締まる思いがします。いつもより取締りが強化され、道のいたるところに、警察官の姿が。悪いことはなにもしていなくても、パトカーを見かけるだけで心臓が「きゅっ」と縮む、小心者の私です。事故が減ってくれれば、なによりなのですが、でも、いままでと違ったぎくしゃくとした運転になり、逆に事故が増えているのではないかと、つい思ってしまいます。ぎくしゃくするのは、私だけですか、どうですか、ドライバーのみなさん???

この交通安全運転週間で、気になるのが、『特設テント』の存在です。なかでは、いろいろと安全運転のための活動をなさっていると思いますが、問題はその位置。

写真は先日、中原街道沿いで見かけた光景です。おわかりのように駐車場のスペースをふたつも! つぶして、テントを設営しています。

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ちょちょ、ちょっと待ってください。いまや駐車場問題は非常に深刻で、違法駐車が巻き起こす事故や渋滞が、どれだけ「悪」な存在なことか。とはいえ、とくに東京都内では、駐車場の用地確保は大変むずかしく、四苦八苦しているはず。

なのに、なのに? この貴重な駐車場をつぶして、いったいなにが交通安全運動なんでしょうかね?

私が怒りをぶつけているのは、それだけではありません。実は私、数ヶ月前、警察庁の某会議に出まして、その席で、警察庁の某交通関係えらい人に「こういったことは、なくしてほしい」と、お願いをしました。議事録にも残っているはずです。そのとき『えらい人』は「わかりました。徹底しておきます」と、返事をしてくれました。議事録にも残っているはずです! なのに、これは、いったい、どういうことなのでしょうかね、ひゅるる~。

なんか、ちょっと、がっかり。かなり、がっかり。庶民の声というのは、なかなか活かされないものだと、改めて痛感いたしました。でも! 私、めげずに意見発信は続けていきます。負けませんことよ!

アセスメントGPにモノ申す

岩貞るみこ

『独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA:ナスバ)はこの度、平成18年度に実施した自動車アセスメントの乗員保護性能と歩行者(頭部)保護性能の評価結果に基づいて、安全性の優れた自動車を表彰する「自動車アセスメントグランプリ」を創設した(NASVAのHPより、抜粋)』んだそうな。

そして『第1回目となる今回は、平成18年度自動車アセスメントの試験を実施した自動車の中からトヨタエスティマがグランプリに決定しました(同)』そうである。

http://www.nasva.go.jp/gaiyou/topics/2007/070425_01.html

エスティマを開発したみなさん、関係者のみなさん、おめでとうございます! そして、安全なクルマをつくってくれて、ありがとうございます! こうした「賞」というのは、研究開発する方々のモチベーションにもなるし、我々、購入する側としても、ひとつの目安になるので、よいものだと思います。

しかし。話には、必ず、ウラがあります。いえ、別に、トヨタやNASVAが悪いって言っているわけじゃありません。念のため。

我々、ユーザーが気をつけなくちゃいけないのは、「アセスメントの乗員保護性能」をもとに、このグランプリが決められているってところです。「アセスメントの乗員保護性能」とは? それはですねー。運転席と助手席しか、データの計測をしていないってことなんですね。つまり、エスティマは3列シートのミニバンで、6人も7人も乗れるのに、安全性が確保されているのは、そのうちのたった二人。その他大勢については、安全性のテストすら行われていないのが、いまの日本の実情なのでありますよ。

つまり、後ろの席、3列目の席についての安全性は未知数であるのに、「このクルマに乗っていれば安全ですよ」と誤解しちゃうような、このグランプリ。いかがなものでしょうね。ユーザーは「そんなことじゃ、だまされないもんね」と、もっと賢くならなければいけません。

そして、メーカーもNASVAも、「ほんとうにユーザーのための」安全性を考えてくれると、嬉しいんですけれどね。

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