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迫る気候変動、07年デトロイトショーで何が見えたのか? 第1弾

清水和夫

新年に開催されるアメリカ・デトロイトショーは各メーカーの様々な思惑が錯綜していた。安全と環境はこれからの自動車の重要な土台となっていることは間違いないが、「持続可能なクルマ社会」に向けた新しい環境技術には積極的な取り組みが行われている。ところで、最近は自動車ショーにも変化が見える。例えば、毎年恒例のデトロイトショーにさきがけ、カリフォルニア州のロスアンジェルスでLAショーの人気が高まってきている。カリフォルニア州だけでも日本一国と同じ規模の 人口と自動車を抱えるだけに、日本メーカーはカリフォルニアを重視してきている。その反面、保守的な地域として知られるミシガン州デトロイトは、アメリカのビッグ3の本拠地であるだけに、大きなSUVやトラックが主流のショーであった。しかし、環境問題がクローズアップされるとデトロイトショーにもコンパクトな環境に優しい自動車が発表されるようになった。もともと環境に意識が高いカルフォルニアと対当するようになってきたのだ。

各国のエネルギー事情で自動車のパワープラントが決まる

自動車メーカーにとってこれからの世界戦略は自動車先進国(北米、欧州、日本)とBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)の発展途上国に分けることができる。これ以外の地域も存在するが、地球規模の格差社会に自動車が益々普及するようになってきたのだ。もちろん地域によって好まれる自動車のスタイルが異なるし、その国のエネルギー事情でエンジンの特性が決まるわけだ。

日本では乗用車がガソリン、商業車が軽油(ディーゼル)と決まっているが、欧州では乗用車でもガソリンと軽油の二種類の燃料が選べる。しかし、地域が変わると、例えばトウモロコシなどの植物から自動車の燃料を作る国家計画を推し進めるブラジルではバイオマス燃料が主力だ。植物からエタノールを作り、ガソリンと混ぜて利用する燃料が急速な勢いで普及している。ちなみにバイオマス燃料が地球温暖化に貢献できる理由は、カーボンフリーと呼ばれる二酸化炭素のサイクルを持っているからだ。バイオマス燃料をエンジンで燃やすと二酸化炭素が排出されるが、植物はその二酸化炭素を再び吸収するから大気に滞留しないというメリットがある。こうしたバイオマス燃料は地域性が高いので、世界の主流になるには限界があるし、行き過ぎたバイオマス燃料政策は食料問題も引き起こしかねない。スウェーデンやアメリカの自動車メーカーはE85と呼ばれるバイオマス燃料(エタノール85%をガソリンに混ぜたもの)を使うコンセプトカーを発表しているが、地域性の強い燃料であることを理解しておくべきだろう。

ところが欧州では軽油を使うディーゼル乗用車に人気が高い。そこで欧州メーカーはいままでディーゼル乗用車の人気がなかったアメリカ市場に積極的に乗りこむ構えを見せていた。ディーゼルの燃料となる軽油は、今後石油から離脱し、天然ガスやバイオマスから人工液体燃料を作る研究も欧州では進んでる。前者はGTL(Gas to Liquid)、後者をBTL(Baiomas to Liquid)と呼んでいる。BTLはバイオマスからエタノール燃料を作るプロセスとは根本的に異なり、人工的に作られた液体燃料を意味している。GTLとBTLは同じ液体燃料を異なる素材から作るわけだ。

こうしたバイオマスE85(ガソリンエンジン用)やGTLやBTL(ディーゼルエンジン用)は、お互いに重要な共通点を持っている。それは石油に頼らないと言う点が重要だ。アメリカのブッシュ政権
は「輸入石油に頼らない自動車戦略」(Freedom Car)を持っている。バイオマスE85が全米で推し進められる理由はこうしたエネルギー事情が考えられるからだ。

こんどは真夏のつらい話!

岩貞るみこ

スイスのフライブルグはパーク&ライドを積極的に取り入れていて成功している街です。路面電車やバスをストレスなく積極的に利用してもらおうと、バス停にはバスの到着までの待ち時間を表示するシステムが採用されているところもあります。待ち時間が表示されると人間は安心するらしく、日本でも地下鉄の現在位置表示をしたり、交差点や工事中の相互通行の信号で、青信号に変わるまでの秒数を表示することもあるようで。

このシステムをぜひ! 採用していただきたいのは沖縄のバス停です。ご存知のとおり沖縄は鉄道が那覇市内にしかなくバス命の県であります。ところが那覇から遠くなればなるほど人口密度も低くなり、バスの本数も減り、一時間に一本もないところがほとんどになってきます。

以前、沖縄の美ら海水族館に行ったときのこと。仕事が終わり、1時間半に一本くらいのバスの時間に合わせてバス停に向かいました。確かに私がバス停に着いたのは、発車時刻の1分後です。でも、その道は見晴らしがとてもよく、バスが通り過ぎればよくわかるような感じだったんですよ。

通常、バスってのは予定時刻よりも遅れるもんですよね。それにバス停に小走りに向かいながら確認する限り、バスが通過した気配はまったくなかったんです。ゆえに私はバスを待ちました。季節は夏。もっというと真夏。さらにいうととんでもなく暑い夏の日でした。午後4時半とはいえ、ひなたにいると30分で病院行きのような日です。

バス停で待つこと15分。バスは来ません。ふざけんなよー。いくらなんでも遅れすぎでしょー。あまりの暑さに私がキレかけたころ、バス停そばに待機していたタクシーの運転手さんが大声で叫んでくれました。

「4時○分のバスなら、出ちゃったよー?」

なにーっ!? その場でぱったりいっちゃいそうでしたよ。そりゃ、ないんじゃないのお?

思うんですが、街中で一時間に何本も来るようなところはどうでもいいから、こういうところにこそ、運行状況がわかるシステムを導入していただきたいです。沖縄の場合、夏は暑いわ、台風は来るわで停留所になにかを設置するのは難しいでしょうから、せめて知りたいと思う人だけでもわかる携帯電話でのサービスなど、お願いできないものでしょうか。沖縄自動車道を走る高速バスにもぜひ、採用していただきたいです。赤字でも唯一の公共交通機関として走らせなければならない県民&観光客の足なわけですから、国交省のみなさん、バックアップ、よろしくお願いします。

最新ITS技術 -ナイト・ビジョン4-

河口まなぶ

 ホンダのインテリジェント・ナイト・ビジョンは、夜間走行における視界をアシストするだけでなく、自車の走路にいる歩行者を検出・認知する機能が与えられている。

 この歩行者検出の機能を、車両制御と融合することは技術的には比較的容易なはずだ。最近では車車間・路車間の通信を用いて、交差点で減速を行う試みも行われている。それに加えて車両 側においても、歩行者検出+車両のブレーキ制御を行えば、さらなる事故低減が図れると思える。

 特に夜間の走行においては、視界の確保が困難になるため、例え住宅街を低速走行していてもヒヤリ/ハットを感じる場合がままある。そんな時に走路の遥か先にいる歩行者を、人間が認知するよりも先に認知してブレーキ制御を行えば、ドライバーにとっても歩行者にとっても安心できる環境が手に入るのではないかと思える。

 もちろんこれは、既に市販車の一部で展開されている追突軽減ブレーキ機能において、どこまで自動ブレーキをかけるか? という問題と同じ悩みを抱えているのも事実である。

 が、ナイト・ビジョンが歩行者を検出するという特性を考えれば追突軽減ブレーキ機能以上の、自動ブレーキ制御を導入しても良いと思えるのだが…。

 もっともこの辺りの機能に関しては、当然のように各メーカーで研究がなされているはずである。さらにどこまで自動化するか…という問題に対して、自動車メーカーは完全停止までを確実に行える技術力を持っているのは明らか。後はそれを認可する側の問題でもある。

 ただ自動車におけるある程度の「自動化」を考えた時、そこにはドライバーの操作をどこまで優先するか、または運転に付帯する自己責任をどこまで追求するかなど、悩ましい問題がいくつもある。そうした問題を考えると、一様に自動化を推し進めることもまた問題をはらんでいく。そう考えると、技術の進化と同時に、この辺りをしっかりと定めることもまた求められると思える。

最新ITS技術 -ナイト・ビジョン3-

河口まなぶ

 ホンダのインテリジェント・ナイト・ビジョンにおける歩行者検出アルゴリズムのユニークな点は、 「歩行者以外を検出」するロジックを用いて精度を高めている点である。つまり歩行者以外のモノを識別する精度を高めることで、巷に存在する様々なものの中から歩行者を検出し、浮かび上がらせるのである。

エンジニアいわく、「歩行者以外のものを歩行者だと誤認識しても問題はあまりないですが、逆に歩行者を歩行者以外のものだと誤認識してしまうのは予防安全システムとして大問題なわけです。そこからこのロジックを発想したのです」

 赤外線は熱を持つものを白く映し出す。しかしリアルワールドでは実に多くのものが映し出される。例えば前方を走る自動車のタイヤ、ブレーキ・ランプ、路肩にある自動販売機…様々なものが白く映し出される。それらをいかに歩行者ではないか、と判断するかがポイントであり、この精度を高めることが重要だと分かったのだという。

 こうしてエンジニアらは日本中を走り回って、道路環境にあって赤外線に映し出される「歩行者以外の白いもの」をひとつずつつぶしていった。

 そして歩行者以外を検出するロジックを高め、これを歩行者を検出するロジックにかけあわせ、さらに画像処理の識別ロジックを用いて歩行者検出アルゴリズムを完成させたのである。

 赤外線の映像で一番はっきりと見える人間の身体の部分は頭である。ホンダではこれをしっかりと認識できるようなアルゴリズムを作り上げた。

 とはいえ走行する車両の前方にいる歩行者の頭は、距離によって小さな円形でもあれば比較的大きな円形でもある。例えばそれは前車のブレーキ・ランプと間違いやすい。こうした誤認識をふせぐために、このアルゴリズムでは円形を検出すると、それに対して肩のシルエットがあるか否かを検出することで、歩行者か否かを判断するのである。

 しかしこれもやっかいで、例えば円形のブレーキ・ランプを備えた車両ではフェンダー部分などを肩と認識する可能性も持っている。こうした場合の誤認識を防ぐために、先の「歩行者以外を検出」するロジックの精度を高めたのだと言う。

 頭と肩の形状を探しにいくだけのロジックの場合、歩行者がとる様々な姿勢パターンに対して照合しなければならないが、これでは長い時間がかかって認識までに相当の時間を要する。例えばダイムラーなどは映し出されたものに対して何万枚の歩行者データを照合する方式を研究しているが、これも長い時間を要してしまう。

 そこでホンダでは映し出されたものに、歩行者のデータを当てはめて歩行者を探すのではなく、間違いなく歩行者以外というパターンをどんどん捨てるロジックを用いて、その上で歩行者検出へのパターンを当てはめていくことで検出率を挙げているのである。

クルマの燃料 -CNG-

長沼要

前回は欠点しか述べず失礼をしたCNGについて、メリットを書いてみたい。
CNG車の普及を押し進めるガス協会などからは、「クリーンな燃料なので、排ガスがクリーン」とある。

うーむ、間違いではないのだけれども、最新のガソリン車はSULEVなクルマもあるくらいなので、一概に燃料のメリットとはいえないだろう。もっとも、都市ガスにはサルファーが入ってないのでクリーンだ、という主張はごもっともなのだが、今となってはガソリンもサルファーフリーなので、触媒性能と燃料制御技術が排ガス性能には支配的な要素となっている。

そして、もう一つ主張しているのが、二酸化炭素排出量が少ない点。これはガソリンエンジンからでる二酸化炭素よりは2割ほど少ないので、おっしゃるとおり。しかーし、ディーゼルエンジンと比較すると、ほぼ同等となる。うーむ???

つまり、戦う相手を明らかにすればよいのです、そうすると以下のようにすっきりする。

・ガソリンエンジン搭載の乗用車を相手にすると、排ガス性能は互角=つまり優れていて、二酸化炭素が約2割ほど少なくできる!
・ディーゼルエンジン搭載のトラック/バスを相手にすると、二酸化炭素排出量はほぼ互角で優秀なまま、PMやNOxといった排ガス性能に優れている!

・・・となる。そうなのです。ガソリンと違って、乗用車のような小型エンジンにも、トラック/バスのような大型エンジンにも使える点も優れものなのである。さらに、CNGの一次エネルギーである天然ガスは、油田とはことなる天然ガス田から採れるので、一次エネルギーの多様化にも貢献し、エネルギーセキュリティーの観点からも良いことになる。

そして、一般の人はあまり気にしてない部分だが、燃料の給油時に漏れる炭化水素、あの給油の際ただようガソリンの匂いがそれ、高圧ガス燃料なので、給油?給ガス?の際にはカップラーでがっちりつながれるので、燃料が漏れる事がない!これがわりといい事なのですよ。

最後に、CNGもLPGと同じくオクタン価が高い燃料なので、過給エンジンがあってもいいのではないかと思ってしまう。そうなれば、気体燃料がゆえにちょっと少ないパワーもリカバーできるし。。。

横滑り防止装置の名前ってありすぎでしょ!

岩貞るみこ

交通事故による死者数は減っても、事故発生件数は減りません。ゆえにこれからは事故を起こさないようにするアクティブセーフティに力を入れるべき、という動きが明確になってきました。

私がいま一番、標準化にして欲しいのは横滑り防止装置です。速度オーバーでコーナーに進入しても、ブレーキやエンジン出力をコントロールしてクルマの姿勢を保ちスピンしないようにするこのシステムは(タイヤの限界を超えたらダメですが)、「そんなことしたら暴走車が増える」という声も聞こえてきます。でも、スピンしないで助かってくれるならいいじゃん、と私は思うのですが。だって、運転している本人が勝手にぶつかるだけの問題ならともかく、スピンした先に人でも歩いていたら、その人は制御不能でこちらに迫り来るクルマに対して「横滑り防止装置くらい付けておけ!」と叫ぶでしょうに(少なくとも私ならね)。

実際、乗用車で約3割、背の高いSUVでは6割強の事故が減るというデータもあるというのですから、これはもう装着しなければ、でしょう。それにコーナリング時だけの問題ではなく、急に飛び出してきた何かをよけたときの急ハンドルによるスピンも防げるのですから、なにが出てくるかわからない交通社会を生き抜く上では、やはり必要だと思うのです。

メーカーは「ユーザーが買ってくれない」と言い訳をしますが、ユーザーにしてみれば「よく知らないものを買うわけにはいかない」ってな状況でしょう。つまりPR不足。認知されない理由のひとつは名前の問題です。だって、ESCやら、ESPやら、DSCやら、VDCやら、PSMやら、VSCやら、PCSやら、DVSやら、VSTやら、VSAやら(書いているだけでいやになりますよ、ほんとにもう)あれは、いったいそれはなんのこと? と、ユーザーが迷うのも当然でしょうに。

まずは名前の統一と機能の説明を。メーカーごとに機能が少しずつ違う(と主張している)ので、名前は変えられないと言っているみたいですけれど、一斤150円の食パンも、ひとかけら300円するデニッシュパンもパンはパン。そんな意地はらずに、いいじゃん、なんとなくわかればいっしょにしちゃってと、思うんですけれどね。だめ?

最新ITS技術 –ナイト・ビジョン2-

河口まなぶ

 実はインテリジェント・ナイトビジョンに用いられる赤外線カメラは、遠赤外線タイプと呼ばれるもので、他社の多くが用いる近赤外線タイプとは異なる。

 遠赤外線タイプのカメラは対象物の熱源を感知して画像化するが、近赤外線タイプはカメラから赤外線を照射して対象物の反射を受けて画像化する。このため対象物が遠くなるほど見えにくくなるという。

 しかし歩行者を検出・認知するためにはより遠くにある対象物も判断しなければならないため、ホンダはあえてコストの高い遠赤外線タイプのカメラを選び、これを2つ取り付けるステレオ方式とした。ステレオ方式とすることで、より遠くの対象物との距離を、より正確に把握するためである。

 こうして得ることのできる画像を、レジェンドではヘッドアップ・ディスプレイに映し出している。ナビ画面に映し出したりする方式ではなく、ヘッドアップ・ディスプレイを選んだ理由は、実際の運転時の視界とのギャップを埋めるため。例え歩行者を検出・認知できても、それを音や警告表示だけ表現しても、運転中のドライバーができるのはせいぜいアクセルを戻すことくらい。ならば実際の視界に近い状況を視線移動が少なくて済む位置に映し出して動画として表示することで、ドライバーがどんな操作をしたら良いのかまで教えようという狙いがある。

 ホンダのエンジニアいわく、「現状をドライバーに伝えることこそが最短の認知。だからこそインターフェイスにこだわった」とのこと。続けて「いくら優れた技術を用いても、それをドライバーに伝えられなければ意味がない」

 そんな想いから、ヘッドアップ・ディスプレイに動画を映し出し、それが歩行者である場合には画面上で歩行者に赤枠を付けて警告音とともにドライバーへ伝えるシステムとしたのだった。

 さて、赤外線カメラによって歩行者を検出・認知する…と言葉にするのは簡単だが、実はこの部分こそがインテリジェント・ナイトビジョンでキモとなるテクノロジーである。

 歩行者を検出するアルゴリズムは、もちろんホンダだけでなく学会などでも発表されている技術。ただそれらは40-50mという比較的短い距離の中にいる歩行者を検出する技術である。しかしホンダの歩行者検出アルゴリズムは、100mという長い距離の中から歩行者を検出するという。しかも面白いのはそのアルゴリズムが、いわゆる学会等で発表されているものとは逆の発想で作られていることである。

二輪のサイアク 四輪のサイテー

西川淳

ドライバーの教育。交通社会においても、やはり教育が最大のテーマであると思う。今や教育は、我が国の国家的テーマであり、教育の再生なくして未来などない。それほど、事態は逼迫している。日々の生活の中で、それはほとんど連続して出現するのだった。

最近、もっとも気になる現象を、2輪と4輪に分けて綴っておきたい。

2輪でサイアクなのは、信号待ちで対向車線を使って先頭に出るという行為である。道幅に余裕がある道で、二台か三台をすり抜けたり、多少センターラインを超えて行く分には、ルールはともかく、2輪の”メリット”だから別にいいと思う。

しかし、例えば幹線道路に出る狭めの二車線で、中にはバスなんかも混じっていて、そんな中を反対車線を堂々と使って先頭に出る”心意気”はどうかと思う。待っている4輪ドライバーの理不尽を言っているのではない。幹線道路から曲がってきたクルマやバイクとの危険を言っている。

4輪のサイテーは、周りの見えていない駐車違反である。駐車違反はやってはいけないが、やむをえぬこともあろうかと思う。その場合には、そこに停めていいかをあらゆる角度から瞬時に判断し、大丈夫な場合に”ちょいと失礼”になるんだと思いたい。

しかし、中には、反対車線に駐車違反のクルマがあるのに、同じ位置関係の対面に、駐停車してしまうやからである。それでも十分通れるなら問題ないが、日本の街中では寛容な道はそう多くない。

違反行為に良いマナーもあったもんじゃないが、最低限を守るという意識もまた、社会のルールであろう。

BMWのガソリンエンジンの環境戦略

清水和夫

昨年BMWはガソリン直噴のターボエンジンを発表して話題となった。シルキー6と呼ばれてきたBMWお得意のストレート6のエンジンを全面改良し、最新の直噴エンジンに仕立てたのだ。しかもターボチャージャーで過給し実用的でトルクフルな性能を実現している。

このエンジンは3シリーズのクーペボディに搭載されてデビューしたが、すぐにセダンにも搭載された。エンジンのスペックを見てみると、直噴の直列6気筒ツインターボエンジンは最高出力306ps/ 5,800rpm、最大トルク40.8kgm/1,300-5,000rpm。

このスペックを見て専門家は驚きの顔を隠せない。というのは、1,300回転という低回転で最大トルクを得ているからだ。ディーゼルエンジンよりも低速型のエンジン特性を実現している。ターボチャージャー本体は日本の三菱重工製との共同開発したもので、タービンの最高回転数は20万回転。大きさは直径は4cmと小型だ。

このエンジンの開発を指揮したクラウス氏は「今後のBMWのガソリンエンジンのコア技術は直噴となります」と言い切る。直噴エンジンは精密に噴射できるスプレーガイド方式のピエゾインジェクターが鍵を握るという。

もともとガソリン直噴はドイツでは歴史が古い。1954年に開発されたメルセデス・ベンツ・300SLは航空機技術を応用して世界で初めてのガソリン直噴を実用化した。そしてこのエンジンはルマン 24時間レースでも大活躍した記録が残っている。ガソリン直噴といえば、リーンバーン(稀薄燃焼)技術と結びつき、燃費向上が目的と思われているが、パワーを絞り出すことにも効果的だ。
N54型と呼ばれる直噴ターボはN52型(自然吸気の6気筒)のマグネシウムブロック、アルミニウムクランクケースとは視覚的に似ているが、ターボ化に伴いブロックはアルミ製。ボアは85mmから84mmへと小さくなっている。ターボなどの補記類を含めると重量は30kg重くなっているが、同じトルクを発生するV8エンジンと比較すれば40kgも軽いというのが、BMWの言い分だ。

ターボの過給圧は1.6バール。ディーゼルターボの2.5バールと比べると低い。一方、燃量噴射の圧力はガソリンエンジンが50~200バール。ディーゼルは1600~2000バールと極めて高い。これは使う燃料の違いである。ディーゼルは圧縮比が高いので、噴射圧を高くする必要があるし、燃えにくい軽油を使うので、ブースト圧を高くできるわけだ。ガソリンエンジンではあまり高いブースト圧はエンジンが異常燃焼(ノッキング)を起こし、不具合が発生してしまう。ガソリンエンジンの噴射回数は「プリ、メイン、ポスト」の3回であるが、ディーゼルは4~5回と多い。

BMWは自然吸気の直噴エンジンもデビューさせた。いままではバブルトロニックという画期的な技術がBMWのコア技術であったが、今後は直噴技術と併用するとのことだ。直噴は燃料の品質に厳しく、さらに排出される窒素酸化物の浄化も難しい(リーンバーンの場合)。従って各国の排気ガス規制や燃料の品質を考慮しながら世界戦略を構築することを考えている。環境問題を考えるとガソリン直噴が今後BMWの重要なエンジン技術となることは間違いないだろう。

クルマの燃料 -LPG CNG-

長沼要

ところで、LPGとは液化石油ガスと訳される。「ガス」が「液化」された状態で貯蔵、輸送されている。2気圧で液化するので割と扱いが楽なのも全国に約2000カ所と普及した一因だろう。ところでグレンジャーのLPIシステムはポンプによる加圧もあり5気圧の液体状態でインジェクターから吸気管へ噴射する。噴射と同時に気化し、空気と混じり混合気を形成するが、その際、気化する際の潜熱がガソリンより大きいので、かなり空気を冷やすことができる。この事から、LPGは実はターボに合うのではないかと考える。しかもオクタン価がガソリンより高いときている。これはもうLPI Turboを作るしかないでしょう。乗ってみたいです。日本のマーケットを考えるとまだ国内メーカーがLPG車に新技術を投入するとは考えがたいので、やはりここはひとつ、ヒュンダイさんに作ってもらいたいです。しかも、かっこいいクーペか何かで。悲しいかな、LPG車はあまりぱっとしないという間違った認識が世間にあるのは事実なので、それを払拭する意味でも、ぜひ!

「所変われば品かわる」という諺があるように、なんと英国王室の公用車はLPGなのですよ。少しイメージ変わりました?

さて、LPGはここまでとして、次には多くの人がよくLPGと混同する天然ガスについて。天然ガスといっても日本では都市ガスという名前でよく知られている、妻夫木君のCMでおなじみの東京ガスが提供しているガスと全く同じものをクルマにも使う。ちなみに関東のCNG充填所は東京ガス系列のスタンドが多い。都市ガスもブレンド品で、90%弱がメタン、残りに、水素や、ブタンやプロパンを調合している。まあ、殆どがメタンなので、一次エネルギーは天然ガスといっていいだろう。

この気体はLPGと違って、ちょっと扱いにくい奴。なぜなら、簡単には液体になってくれない。気体のままだとたくさん積めない。マイナス170℃くらいにまで冷やさないと液化してくれない。それでも頑張って冷やして液体状態にしたものがLNGだ。しかしこのLNG(液化天然ガス)はさすがに普及していなくて、日本ではまだ試作車が数台あるだけ。アメリカや中国では数百台~千台近くのクルマ(トラック、バス)が走っているのだが・・・。

じゃあ、押し込んでやれ、という発想がCNG、圧縮天然ガス。最大200気圧という圧力で押し込んだ状態が満タン。そして大気圧になったら空。こいつは200気圧まで圧縮しても気体状態を維持しているので、圧力を無視して容積を計ってもわけわかんない。だから測定単位は標準状態での立法メートル(立米=リューベ)をつかう。リューベって日本語が語源なのですよ。まあ、毎月くるガス代の請求書にも書いてある単位(Nm3)なので馴染みはあるでしょう。

で、小さいタイプのCNG車は100Lくらいの容器を積んでいる。つまり、満タンでは、100L×200気圧=20000NL=20Nm3となる。まあエイや!で考えて、ガソリン1Lと都市ガス1Nm3で走れる距離感は一緒。つまり、20L程度のガソリンを積んでいることになる。

そうなのです。少ないのです。これがCNG車の短所かな?
短所があれば長所があるもので、それは次回に。。。

ちなみに、みなさんのうちに届けられる請求書をよく見てみてください。ひと月にどれくらい使います?おそらく一人暮らしなら、一回満タン分くらいだとおもいますよ。そうやって考えるとクルマってエネルギーを使うんだなあ、と感じますよね。私はそう思うとアクセルをゆーっくり踏むようになります。

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